4つのまどろみ (ある建築家の遺した自邸で)/ Four naps at architect Kunio Maekawa’s own residence

制作: 2021年
インクジェットプリント、つけ睫毛
会場: 東京都美術館
協力: 江戸東京たてもの園
Year: 2021
Inkjet print, false eyelashes
Location: Tokyo Metropolitan Art Museum
Cooperation: Edo-Tokyo Open Air Architectural Museum

建築家・前川國男の自邸の室内風景を、銅板に映し撮影した4点組の写真作品。銅板につけ睫毛を付着させたものと、写真につけ睫毛を付着させたもの2枚を含み、イメージと物質を行き来する閉じた目蓋によって、眠りと覚醒を振幅するまどろみの感覚をもたらす。前川國男設計の東京都美術館で展示。

This is a set of four photographs of the interior landscape of architect Kunio Maekawa’s own house, projected onto copper plates. The closed eyelids, which move back and forth between image and matter, bring about a slumbering sensation that fluctuates between sleep and wakefulness. Exhibited at the Tokyo Metropolitan Art Museum designed by Kunio Maekawa.

Bottle of words

制作: 2021年
ガラス瓶、染めたハンカチ、
エンボステープ、紙ラベルなど
サイズ: Φ 8cm × H 30cm

発話も呼吸も気づくと止めている時がある。吐き出されない言葉、ブドウの皮に与えられた時間、ブドウの構造に似た肺、モノの連想を貯蔵し、言葉と息を取り戻す時を待つ。

Bottle of words
I’M SLEEPY.
Bottle of words
I WANT IT.
Bottle of words
DON’T LAUGH.
Bottle of words
LOOK AT ME.
Bottle of words
I WONDER.
Bottle of words
WHY NOT.
Bottle of words
NO WAY.

私はその森から枯れ枝を盗んだ/ I stole twigs in the woods

制作: 2021年
展覧会: RAM PRACTICE 2021

白く凹凸のある粘土板の絵画と、その絵画に射す自然光の角度を調節できる仮設の壁。同じ空間に流れる映像では、絵画の凹凸が枝によって刻まれていく過程と、戦中戦後にハンセン病患者が生きるために枝を「盗む」ことが厳しく罰せられていた歴史とが、平行して語られる。最後は、若葉のような緑色の炎が枝に灯り、静かに燃え続けながら終わる。

<ステートメント>国立ハンセン病療養所の一つである多磨全生園は、東京の東村山市にある。当時、東京郊外の辺鄙で木々に覆われていたこの地区は、隔離施設を作るには「うってつけ」で、入所者自らが開墾して村を作りあげた。そして、戦争でほとんどの木が伐採されて更地にされ、それを幾度もの緑化計画のもと、植樹によって森を再生させたのが今の姿である。物資の不足した戦後、生きるために枝を「盗伐」したことについて、いろいろな人が手記を残していることを知った。今の森で、私は枝を拾い、アトリエに持ち帰ることから作品は始まる。

写真資料提供 : 国立ハンセン病資料館
参考文献 : 多磨全生園患者自治会『倶会一処』、芳葉郁郎「落葉挽歌」(『多磨』1970年11月)、国本衛『生きて、ふたたび 隔離55年――ハンセン病者半生の軌跡』、松木信『生まれたのは何のために ハンセン病者の手記』、津田せつ子『随筆集 曼珠沙華』、柴田隆行『多磨全生園・<ふるさと>の森』(社評論社)、同氏のHP上「森の年表」「随想・記録・論」
映像撮影 : 早川純一、 展示風景撮影 : 大塚敬太(1,2,4,5)

▼Video Capture

フラフ、川揚る / When the flag is a river

制作 : 2020年
16:9, HD, Stereo Sound, colour, 22ʼ06ʼʼ

高知県中部を流れる物部川(ものべがわ)の流域を舞台として、この地域の伝統産業である旗(フラフ)づくりの工房から持ち出された一枚の布の移動と変化を追う作品。共同体の維持のための一つの知恵であったフラフ掲揚の文化を読み替え、川とともに生きる人びとの意識下を染める名づけられない色を、どう表せるかを試みた。

2018年の高知県香美市で滞在制作した「川を染めとる/日次のフラフ」を新たに編集した作品。《RAM PRACTICE 2020 – Online Screening》で公開。

蜘蛛とeveryone(世界人権宣言をテキストとして)

制作 : 2019年

映像(シングルチャンネル, サウンド), ポスター

各国の人権侵害を国内問題として放置したことが、第二次世界大戦という悲劇を引き起こしたという深い反省のもと、国際連合によって世界人権宣言が作られた。この宣言は、国や階級単位で区別することなく、世界中の「全ての人間」が、生まれながらにして人権をもっていると、歴史上初めて明文化したことで知られる。宣言文中に頻出する呼びかけの言葉“everyone”、巣上の蜘蛛がどのように反応するかを観察する映像に、作家の発音練習の音声が重なる。展示会場内には、宣言採択と同年の1948年に製作・配布されたポスターの複製が置かれている。当時、宣言が一覧できるこの大判ポスターを広げ、人々が集って読む様子の写真が新聞などのメディアで広められたことに倣い、ポスターは会場を訪れた人が持ち帰れるようになっている。
参照画像: UN Photo 協力: ETC英会話  ▶︎ vimeo

日々の紙片

制作: 2019年

大和が確定申告の際に保存していた2018年分の経費のレシート、領収書に、濃紺、朱、白の三色でマーブリング加工を施した作品。この年、日本の財務省は公文書(土地取引に関わる決裁文書)の改竄を行ったことを認めた。 photo: Ujin Matsuo

インク・ケチャップ・漂白剤

制作: 2019年

作品購入時にギャラリーが発行するレシートの裏に、その場でマーブリングを施して渡す。

濯ぎながら染まるもの

制作: 2019年
映像(シングルチャンネル、サイレンス)、7’13”

彼(あるいは彼女)は富士山に登った

制作: すべて2019年
インクジェットプリント
-「富士山展2.0」 Gallery MOMO(東京)で発表

彼(あるいは彼女)は富士山に登った/川口市郷土資料館

彼(あるいは彼女)は富士山に登った/木曽呂の富士塚

彼(あるいは彼女)は富士山に登った/川口銀座商店街